01
バッテリーあがりの主な原因は何ですか?代表的な例をご紹介します。
1.パーキングライトやメットインスペースのライト等が点灯したまま
└→バッテリーが新しい場合は充電すればOK
2.長期間乗らないことによる自然放電
└→放置期間が短い場合(1ヶ月程度)は充電すればOK
3.車両側充電装置(レギュレターなど)の故障による充電不足
└→車両側修理が必要。バッテリーが新しい場合は充電すればOK
4.車両側配線の劣化によるリーク
└→車両側修理が必要。バッテリーが新しい場合は充電すればOK
5.端子の緩み等による接触不良
└→バッテリーが新しい場合は充電すればOK
6.バッテリーの寿命
└→交換が必要。
7.事故や転倒等の衝撃によるバッテリー内部故障
└→交換が必要。
02
液別タイプと充電済みタイプはどこが違うの?電解液を注入してから使用する液別タイプと、既に電解液が入って充電 されている液入り充電済タイプがあります。
【液別タイプ】
液別(即用式)タイプは使用前に電解液を注入して使用します。
電解液と中の極板が反応して電気が発生し、初充電ののち使用を開始することができます。ただし、製造されてから年数の経ったものや、密封シールが剥がれていたものは十分な電気が発生しない場合もありますので、その際は充電をしてから使用を開始してください。
※電解液は希硫酸ですので購入店にて注液および充電をしてもらってください。
【液入り充電済タイプ】
液入り充電済タイプは、既に電解液が入って充電されていますのでそのままご使用いただけます。ただし、購入から使用開始までに期間が空く場合は、目安として10ヶ月に1度は補充電をする必要があります。
03
MFバッテリーの特徴は?液面点検や補水を必要とせず、サイズを小型化したことにあります。
二輪車性能の向上やバイクデザインの発展によって、バッテリー設置方法の多様化や転倒や極度のコーナーリングなどへの対応、スクーターなどに求められる小型軽量化などの要求により開発されました。従来の一般開放型バッテリーと大きく違う点は、液面点検や補水を必要とせず、サイズを小型化したことにあります。
04
バッテリーの交換方法を教えて?バッテリーが完全に冷えている事を確認してから作業を始めます。
※走行後の場合は、30分以上放置しバッテリーのガスが抜けるのを確認してください。
1.マイナス端子を外します。
2.プラス端子を外します。
3.バッテリーを積み替えます。端子が汚れている場合は清掃します。
4.プラス端子をつけます。
5.マイナス端子をつけます。
※なぜ取付に順番があるの?
バイクのフレーム部とバッテリーのマイナス端子は直結されており、フレームにはマイナスの電気が流れています(ボディーアース)。
順番を無視してプラス端子から外そうとした場合、工具の端がフレームに接触するとショートします!最悪の場合、バッテリーの破裂やコンピューター等の破損につながります。
この様なトラブルを未然に防ぐ為、交換時には必ず作業手順を守ってください。作業に自信の無い方は販売店へ作業依頼をしてください。
05
バッテリーの構成部品と役割を教えて?大きく分けて9つの部品で構成されています。
極板
極板は鉛合金の格子(グリッド)とそれに充填された活物質からできています。正極板(プラス極板)の活物質は二酸化鉛(PbO2)
でチョコレート色をしています。負極板(マイナス極板)の活物質は海綿状鉛(Pb)で灰色(鉛色)をしています。
セパレータとガラスマット
正極板(プラス極板)と負極板(マイナス極板)が接触短絡するのを防ぐために、両極板間に挿入した板をセパレータといいます。バッテリーの化学反応が行われ易いように多数の微孔を有し、耐酸性に優れたガラス繊維または合成繊維で作られています。
1)開放型バッテリー用セパレータ
イオン透過性に優れた多孔性の合成繊維のセパレータを採用しています。
2)ガラスマット
開放型バッテリーに用いられているガラスマットはガラス繊維を交差させてマット状にしたもので、正極板にあてて一定の圧力が加わるようにし、正極活物質の脱落を防止しています。また、セパレータの劣化防止にも役立っています。二輪車用では激しい振動が加わるためガラスマットを使用して圧迫度を高くすることで、極板の劣化を防いでいます。
3)メンテナンスフリーバッテリー用セパレータ
正極板(プラス極板)から発生した酸素ガスを負極板に透過させる役割ならびに電解液を流動制限する働きを持った微細ガラス繊維の特殊セパレータを採用しています。
電解液
バッテリーの電解液は無色透明無臭の希硫酸で充放電作用を預かる重要な物質です。一般に電解液比重は、完全充電状態で1.280(20℃)を標準としています。
メンテナンスフリーバッテリーでは機種毎の、専用の電解液容器となっていますので、バッテリーに添付の専用電解液をご使用ください。なおメンテナンスフリーバッテリーには液入充電済のものもあり、電解液比重は機種によって異なりますが、一般的には1.320(20℃)の電解液比重を採用しています。
電槽・ふた
電槽は極板や電解液などを収容する容器で、合成樹脂(ABS・PP樹脂)
で作られています。6Vバッテリーは隔壁で3つに、12Vバッテリーは隔壁で6つに仕切られています。
ふたは電槽上部を覆うもので、電槽と同等の材料で作られています。電槽とふたは、接着剤または熱溶着などにより接着されています。
1)開放型バッテリー
各セル注液口と各セルから発生するガスを排出するための集中排気構造となっています。
2)メンテナンスフリーバッテリー
バッテリー外部の空気の侵入を防ぐとともに、過充電などでバッテリー内部の圧力が異常に上昇すると、動作して内圧を下げるゴム弁(制御弁)、および外部の火花などでバッテリーが引火爆発しないようにした防爆フィルターを有する構造となっています。
端子
端子は電気の出入口で両端のセルに設けられています。端子形状はリード線式またはファストン端子式とボルトナット締め付け式の3種類があります。
1)リード線式
6V系の小容量の点灯用バッテリーは、一部を除きリード線式で先端には板・丸型端子・キボシ端子・カプラ等が取り付けられており、プラス・マイナスいずれかにヒューズを取り付けたものもあります。
2)ファストン端子式
プラス・マイナス共に平板状の端子となっています。車両についている一体型のカプラでワンタッチ接続ができます。
3)ボルトナット締め付け式
M5、M6等のネジで車両側のハーネスが取り付けられるようにした端子です。バッテリーの形状により、上締め、前締め、両側締め等があります。
液口栓と密封性
1)液口『開放型バッテリー』
液口栓はふたの電解液注入口に取り付けられた栓で、合成樹脂で作られています。液口栓には排気孔はありません。電解液の注入、補水、比重測定時に取り外しできるようになっています。
2)密封栓
メンテナンスフリーバッテリーの密封栓は3連式および、6連式となっています。なお、液入り充電済みタイプには密封栓はありません。注液後は密封栓はいかなるときも外さないでください。バッテリーが劣化して使用できなくなります。
シール管(ゴムキャップ)
開放型バッテリーの排気エルボには、バッテリー内部への空気の侵入を防ぐために、シール管(ゴムキャップ)
を取り付けています。バッテリー内部に空気が侵入しますとバッテリー内部の負極板が酸化(負極板が放電する)
して、使用できなくなりますので、注液直前までは、絶対に取り外さないようにしてください。
また、注液後にシール管(ゴムキャップ)の取り付けをされますと、バッテリー内部から発生するガスが排出できなくなり、電槽が破損することがありますので取付しないでください。なお、簡易無漏タイプのバッテリーなどの一部の機種にはシール管(ゴムキャップ)が装着されていないものがあります。
ビニール排気管チューブ
ビニール排気管チューブは、バッテリーから発生したガスを車外に排出するためのチューブです。ビニール排気管チューブは、古いチューブと長さをあわせて切断し、スリット側(または僅かな針穴)を排気エルボの根元まで確実に差し込んでください(スリットがないタイプも存在します)。
バッテリーを車両に取り付ける場合は、ビニール排気管チューブを折り曲げたり、押しつぶしたりしないように取り付けてください。ビニール排気管チューブが詰まった場合、電槽が破損することがありますのでご注意ください。
補助端子(アダプタ)と液面センサー
1)補助端子(アダプタ)
従来の端子に補助端子(アダプタ)を取り付けることによって、ターミナルの取り付けを変えることができます。
2)液面センサー
液面センサー付バッテリーは液面をチェックすることができます。一部の形式には、センサーが液口栓と共用になっているものや、センサー専用の差込口を設けたバッテリーがあります。既にセンサーが装着された電池については、注液する直前まで絶対にセンサーを取り外さないようにしてください。取り外されますと電池内部へ空気が進入し、負極板が酸化(負極板が放電する)して使用できなくなります。
06
バッテリーの化学反応を教えて?二輪車バッテリーは、大きく開放型バッテリーとメンテナンスフリーバッテリーの二つに分かれます。
二輪車バッテリーは、大きく開放型バッテリーとメンテナンスフリーバッテリーの二つに分かれます。
バッテリーの化学反応
バッテリーは、電気エネルギーを化学エネルギーとして蓄え、必要に応じて電気エネルギーとして取り出すことができます。電気エネルギーを化学エネルギーとして蓄えることを「充電」といい、蓄えられた化学エネルギーを電気エネルギーとして取り出すことを「放電」といいます。二輪車用バッテリーは「鉛蓄電池」で、この充電と放電を繰り返し行える「二次電池」と呼ばれています。
開放型バッテリー
1)放電中の化学反応
バッテリーを放電すると、正極板の二酸化鉛(PbO2)と負極板の海面状鉛(Pb)は、電解液中の硫酸(H2SO4)と反応して次第に硫酸鉛(PbSO4)に変わり、電解液は水(H2O)に近くなります。電解液中の硫酸の濃度はバッテリーの放電電気量に比例して変化するため、比重計を用いて電解液比重を測定することにより、バッテリーの放電量を知ることができます。
2)充電中の化学変化
放電したバッテリーを充電すると、硫酸鉛(PbSO4)になっている正極板および負極板の活物質は、次第に正極板は二酸化鉛(PbO2)に、負極板は海綿状鉛(Pb)に戻り、電解液に硫酸(H2SO4)
が戻り希硫酸となり、充電が進み活物質が充電された状態に近付くと電解液中の水が電気分解を起こし、正極板から酸素ガス(O2)、負極板から水素ガス(H2)が盛んに発生します。発生したガスは外へ放出されるため徐々に水が減少し、補水のメンテナンスが必要となります。
3)充放電時の化学反応
バッテリー充放電の化学反応は下記式のようになります。
メンテナンスフリーバッテリー
4)減液しない原理『負極吸収反応』
正極板が満充電された時点でも、負極板はまだ全てが海綿状鉛(Pb)に変化しないように設計されています。そのため過充電され正極板から酸素ガス(O2)が発生した時点でも、負極板は未だ満充電状態にならず、水素ガス(H2)は発生しません。しかも正極板から発生したガスは速やかに負極板上で充電状態の活物質と反応し、水に戻り、水分の損失が起こらないようになっています。
5)メンテナンスフリーバッテリーの化学反応は下記式のようになります。
このように負極板は満充電状態にならないようになっており、過充電を続けたとしてもバッテリー内で発生したガス(O2)は負極板で吸収される、いわゆる酸素サイクル(負極吸収反応)が起こるので、電解液中の水分の損失が起こらないようになっています。
6)メンテナンスフリーバッテリーの構造
メンテナンスフリーバッテリーの構造で大きく違うのは流動可能な電解液が少ないことです。電解液はセパレータに含浸させており、また外部の大気と遮断するためにゴム弁(制御弁)がついています。普段はバッテリー内部が負圧になるので遮断されていますが、万一過充電などが発生した場合はゴム弁(制御弁)
が開いて電池内部のガスを放出する構造となっています。
07
過充電とは?必要以上に充電することです。
必要以上の充電は「過充電」と呼 ばれ、バッテリーに大きなダメージを与えてしまいます。
過充電を繰り返すと・・・
・バッテリー液の減少
・寿命短縮
・過度のガス発生により引火して爆発
などの危険性がありますので、必ず適切な充電を行ってください。
【車両側充電装置の故障】
バッテリーを車両に搭載して通常に使用しても、車両側の充電系が故障し充電電圧が高すぎる状態になると、過充電になることがあります。
液の減りが早すぎる場合は、車両側の充電装置が故障している可能性がありますので、車両販売店や修理工場へご相談ください。
08
形式の見方を教えて?標準バッテリー、高性能バッテリー、VRLA(MFタイプ)の3つに分類し、規格として定めています。
JIS規格では、主な国産二輪車用バッテリーを標準バッテリー、高性能バッテリー、VRLA(MFタイプ)の3つに分類し、規格として定めています。そしてJIS規格適合バッテリーなら、標準タイプであれば型番が、高性能タイプとVRLA(MF)タイプであればメーカーが任意に付けられる最初のアルファベットを除き、型番の他の部分が一致していれば、互換性のあるバッテリーであるということがいえます。
09
バッテリーの充電方法に違いはあるの?大きく分けて2種類あります。
1.普通充電
バッテリーの充電状態をほぼ100%まで回復させる充電方法になります。
充電電流はバッテリーのサイズによって異なります。電流値はバッテリー本体に記載されていますので、必ず指定の電流値で充電してください。
本体に記載が無い場合は、容量の1/10の電流で充電を行ってください。(例:PTX7L-BSの場合、容量が6Ahなので、充電電流は0.6A)。
▼普通充電の充電時間目安
▼充電状態の目安
2.急速充電
エンジンが始動できる状態まで応急的にバッテリーを回復させる充電方法になります。
急速充電は短時間でエンジンをかけることができる位まで充電することができますが、満充電までは充電できません。また、バッテリーの寿命が短くなりますので緊急の時以外は普通充電をお勧めいたします。
充電電流および充電時間はバッテリーのサイズによって異なります。充電電流と充電時間はバッテリー本体に記載されていますので、必ず指定の電流値で充電してください。過充電の要因となります。
※注意
急速充電はバッテリーの寿命を縮める要因となりますので、できるだけ普通充電を行ってください。
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バッテリーの寿命はどれくらい?6つの要素が複雑に関係しています。
バッテリーの寿命を左右する原因は、温度、放置期間、放電(自己放電を含む)、充電電圧、充電量、振動(外部損傷を含む)の6つの要素が複雑に関係しています。特に多いのは充電不足で放電した状態です。これは、放置してサルフェーション化(※)しているのが要因です。サルフェーション初期段階ならサルフェーション分解機能付充電器で復活できる場合もあります。
※硫酸鉛が結晶化し電気を通さなくする状態。
使用環境により大きく異なりますが、平均すると2~3年くらいです。ただし降雪地などでオートバイに乗らない期間がある場合は、きちんとメンテナンスをしないと1年未満で寿命になってしまう場合があります。
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寿命が近くなると現れる一般的な症状は?エンジンのかかりが悪いなどの症状が現れます。
1.エンジンのかかりが悪い
2.バッテリー液の減りが早い。充電してもエンジンのかかりが悪い
3.ホーンが弱々しい。ウィンカーが作動しない
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ジェルと普通のバッテリー液はどう違うの?ジェルタイプは長期保存・自己放電の抑圧・安定的な電力供給を行うことが可能です。
通常の電解液は液体なのに対して、ジェルタイプはその名の通りジェリー状になっています。当社のプロセレクトバッテリーではナノ原子技術を用いており高粘性・低流動性のため、長期保存・自己放電の抑圧・安定的な電力供給を行うことが可能です。また液漏れ防止にも効果があります。スクーターなどのバッテリー横置き搭載車両に推奨します。
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充電器の取り扱いが多くてどれが良いかわかりません。プロセレクトバッテリーの充電器はお手頃な価格でバッテリーにやさしいメンテナンス充電機能付き。
プロセレクトバッテリーの充電器はお手頃な価格を実現しながら、バッテリーにやさしいメンテナンス充電機能付となっております。これは充電が完了すると自動的にバッテリー付加をかけないフロート充電に切り替わるという機能で大変便利です。
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オートバイ用のバッテリーを四輪用の充電器で充電してもいいの?充電はかならずオートバイ専用の充電器をご利用ください。
アンペア数に大きな違いがあります。オートバイ用の充電器は1Aのものが多く四輪用では4A以上のものが多くあります。規格外の充電器で充電すると過充電による液枯れが原因で性能が低下したり寿命が短くなります。充電はかならずオートバイ専用の充電器をご利用ください。サルフェーション対策付の充電器は一時的に高い電流を発生させる為、車両からバッテリーを取り外してご利用ください。車両に装着したまま高い電流を流すと電装系(レギュレター)などに損傷をきたす恐れがありますのでご注意ください。
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バッテリーは初充電した方がいいの?必ずオートバイ専用の充電器で充電してください。
液を入れて30分ほど放置すれば そのままでもご利用できますが、完全な充電状態になっておりませんので、必ずオートバイ専用の充電器で充電してください。
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バッテリー液注入時の注意点は?電解液を入れてから30分間は容器を差し込んだままにして置いてください。
【MFバッテリーの場合】
これは内部から発生するガスを外に逃がし電解液を浸透させるためです。
液が入りにくいときは、軽く容器を叩くなどして注液を促進してください。液が入りにくいからといって、容器上部の連結パイプを切断しないでください。
急激に液を入れすぎるとバッテリー内の各セル(電装)の液量バランスが崩れ、液の過不足につながります。ゆっくりとバッテリー内の空気と入れ替わるようにしてください。
注液ミスで規定量が入っていない場合はバッテリー本来の性能が発揮されませんのでご注意ください。
〈電解液を入れただけでは完全に充電されていません〉
液注入作業後10分以上経過してから専用のテスターで計測を行ってください。
12.6V以下の場合は充電が必要になります。しかし、電解液を入れただけでは完全に充電されていませんので専用の充電器で充電してください。
●電解液を入れて、30分間は置いておく事。
●電解液を入れただけでは、バイクバッテリーは完全に充電されていません。
●くれぐれも液が入りにくいからといって、容器上部の連結パイプを切断しないで!
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電圧の正しい計り方とは?付加電圧、つまりセルを回した時の電圧が重要です。
テスターなどで計測される際はご注意ください。
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バッテリー保管時の注意点はありますか?ストック中はシール、液口栓、密封栓やアルミシールを絶対に開かない。
保管中の取扱いに関して
1)保管場所
①温度の低い(-5~15℃が望ましい)乾燥したところ。
②雨露、直射日光を受けないホコリの少ないところ。
2)保管上の注意
ストック中はシール、液口栓、密封栓やアルミシールを絶対に開かない。
3)保管中の充電
自己放電を補うために定期的に補充電を必ず行ってください。
注1.開放型バッテリーでの急速充電は緊急に始動性能を回復させたいときのみ行うもので充分な容量回復はしていません。ご注意ください。
注2.充電中のバッテリー温度が下記を超える場合は、一時的に充電を中止してください。普通充電 45℃
急速充電 55℃ 開放型バッテリー
注3.メンテナンスフリーバッテリーは、比重測定ができませんので、その開路電圧で充電の要・不要ならびに完了を判断してください。
注4.メンテナンスフリーバッテリーはいかなることがあっても密封栓をとらないでください。
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MFバッテリーに密封シールがあるのはなぜ?酸素を吸い込んで極板が酸化し、性能が低下するのを防ぐためです。
酸素を吸い込んで極板が酸化し、性能が低下するのを防ぐために密封シールを貼っています。
シールをはがしてしまっても2ヶ月程度であれば液注入後、初回充電すればご使用いただけます。
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バッテリーにとって、やってはいけない事とは?必要以上に充電し続けること…etc.
急速充電の繰り返し
急速充電はバッテリーにダメージを与えますので、緊急時以外は普通充電を行ってください。
バイクに搭載したままの充電
充電器のクリップがフレームに接触するとショートする危険性。また、コンピュータ等のトラブルの要因となります。
+と-を逆に接続
ショートして車両の電気系統が壊れます。修理代数十万円なんてケースも・・・
バッテリー液が減っている場合に補充液(精製水)ではなく電解液を補充すること
バッテリー液(電解液)は水と硫酸を混ぜたものです。液が減るのはこの水の部分が減るだけで
硫酸分は減りません。よって新たに電解液を補充すると硫酸濃度が濃くなり、短寿命の原因となります。
指定サイズ以外のバッテリーを搭載
搭載バッテリーのサイズは、車両メーカーの設計に基づき設定されています。指定外のサイズを搭載すると思わぬトラブルに繋がる可能性があり危険です。
バッテリー交換時、作業手順を無視した順番で作業すること
フタをこじ開ける(メンテナンスフリーバッテリーのみ)
液を入れて使用を開始したメンテナンスフリーバッテリーのフタは絶対にこじ開けないでください。無理にこじ開けると壊れて使用できなくなります。
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容量って何ですか?バッテリーの容量は「~Ah」という単位で表します。
バッテリーの容量は「~Ah」という単位で表し、カタログや外箱に「○○Ah」という形で記載されています。 ※Ah=アンペアアワーと読みます。
【時間率について】
バッテリーは化学反応で電気を溜めたり出したりしていますので、電気の取り出し方によって取り出せる電気の総量が変わってきます。
具体的には、大きな電気を短時間で取り出すより、小さな電気を長時間かけて取り出す方が、より多くの電気を取り出すことができるのです。しかし、これではそのバッテリーの容量を表すことができませんので、時間率という単位で基準化して表しています。
オートバイ用バッテリーは「10時間率(10HR)」という基準で表記されています。
例えば10時間率「10Ah」は、1Aの電流を10時間流すことができます、という意味になります。
(1A×10h=10Ah)
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バッテリーの役割とは?バッテリーには「始動および点灯用」と「点灯専用」があります。
二輪車の特異性として、バッテリーあがりの故障が起こってもキックスタートや押しがけスタートができますが、エンジンの回転数が上がりすぎた場合、ヘッドライトが切れたり、ヒューズが切れたりします。こういったトラブルが起きる前に、バッテリーの役割を知り、早めのバッテリー交換が必要になります。
二輪車の電気系統は主に『始動(セルスタート式)』、『点火』、『充電』、『点灯』の4回路から構成されています。
始動(Starting)
セルスタートスイッチをONにすると、バッテリーはスタータモーターに大電流と高い電圧を供給。
スタータモーターはエンジン始動に必要なトルクおよび回転数を与え、エンジンスタートができます。冬の寒い日にも快適なエンジン始動ができるのは、バッテリーのおかげといえます。
点灯(Lighting)
運転に際して重要な保安機器、ストップランプ、フラッシャランプ、ホーン等はバッテリーと直結されており、常に安定した電気を保安機器に供給するだけでなく、機器保護をする役割があります。
点火(Ignition)
エンジンをかける時およびエンジンがかかった時、エンジンシリンダー内に圧縮された混合気を点火させるには、プラグの電気火花によって爆発を起こすことが必要です。しかし、この電気火花を発生させるには非常に高い電圧が必要であり、さらにはより安定した電力が必要とされます。
充電(Charging)
発電された電気は、レギュレターで一定の電圧にしてからバッテリーを充電します。しかし、バッテリー不良などの理由により発電量が過大になった場合、電装機器を痛めてしまいます。このときバッテリーは、充電されることで過大になった発電量を吸収し、常に電圧を安定させて電装品を保護する、電圧安定装置としての働きをしています。
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横置きにしても良いバッテリーはどれ?MF(密閉型)バッテリーは横向きの搭載も可能です。
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6Vバッテリーと12Vバッテリーはどこが違うの?バッテリーの1セルの電圧は2Vです。
そのセルが3つあるものは6V(2V×3)、6つあるものは12V(2V×6)となります。
オートバイ用バッテリーとしては、以前は6Vが多く採用されていましたが、現在はほとんどの車両が12Vのバッテリーを搭載しています。
※それぞれのバッテリーに互換性はありませんので、必ず同じ電圧のものを使用してください。
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保証について教えて?プロセレクトバッテリーの保証期間は365日です。
注)保証期間中でも以下の場合は保証対象外となる場合がございます。
・横置き(斜め置き)車両に液別を使用の場合。
・保証書の添付がない・必要事項が未記入・店名が押印されていない場合。
・取付せずに販売される場合は販売日が保証開始日となります。
注)プレミアム ジェルバッテリーシリーズは、取付日より2年間でしたが
2023年1月より保証期間が365日となっております。
※保証書などにも記載しておりますように「補充電や定期メンテナンス」を行えば数年間ご使用可能ですが、充電器をお持ちでなく補充電やメンテナンスが難しい方も多く、サイズの小さなものなどはメンテナンスなしで2年間はもたないとの声が大きくなったため補充電や定期メンテナンス無しでも初期性能の保証が可能な365日に戻すことになりました。